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制度はあれども(歯科編・2)

子連れソーシャルワーク留学 in カナダ vol.101 ソーシャルワーク・タイムズ vol.170

· 児童福祉,社会福祉制度,カナダ生活

オンタリオ州では歯科や眼科、処方箋薬は基本的に100%自費になります。日本では医療費の増大など様々な問題がありますが、利用者の立場としては日本の皆保険制度は本当に素晴らしいと思います。

歯科に関しては、カナダのオンタリオ州にも収入に応じて18歳以下の子どもの歯科治療が無料になるHealthy Smiles Ontario(HSO)という素晴らしい制度があります。

しかし他の制度と同様に申請から利用まで時間がかかり、手続きが複雑で面倒なのです。

まず、どんな制度でもそうですが、申請をするには当然この制度を知っていることが前提となります(申請主義)。自分で調べたり、友人に聞いたり、ソーシャルワーカーに教えてもらったり、時にはニュースやTVのCMや地下鉄の広告で知ることもあります。「子ども家庭分野」などで色々とまとめて教えてくれる日本の区役所・市役所は素晴らしいと思います。

ちなみにオンタリオ州には、福祉サービスを提供する団体がたくさんあるので、居住地やニーズなどに応じてサービスを検索できるデータベースがあります。(歯医者の検索は多分できない…)

211 Ontario

https://211ontario.ca/

さて、歯科の補助、HSOを申し込む場合は、オンタリオ州の該当するサイトから申請書をダウンロードして記入し郵送します。

その際、前年の所得の証明をしなければならないのですが、確定申告(基本的にオンタリオ在住者全員が行う)の情報が利用できるので、実際には何もしなくてよいので便利です。

しかし両親のどちらかが確定申告をしていない場合(オンタリオに在住していない場合など)には、証明してくれる人(教師、弁護士、ソーシャルワーカー、牧師など、ある程度地位のある人)に、申請書類の内容が間違っていないことを証明する署名をしてもらいます。保証人的なイメージでしょうか。

とある家族の場合は、親の一人が前年の確定申告をしていない(オンタリオ州在住でない)ので、まずその署名をしてくれる人を探して、お願いしました。

この後、担当部署に郵送し、無事に受理されてカードが届くまで、数週間から数ヶ月待ちます。カードが届くと歯医者さん探し&予約となります。なので歯が痛くなってからこの制度に申し込んでも遅いです。

実はこのプログラムに加盟している歯医者さんが限られており、利用者は自分で探す必要があるのです。何件も歯医者に電話してもなかなかみつからないという場合もあります。

オンタリオ州のウェブサイトには「かかりつけの歯科にこのプログラムが使えるか確認をしてください。かかりつけの歯科がない場合には、地域のPublic Health(保健局)に相談してください」とあります。

この家族の場合、数件電話をしても見つからなかったので、早速、Public Healthに電話をしようと思ったのですが、そのサイトに掲載されていたのはトロント市の総合受付電話(一応、ワンストップサービス的になんでも相談できる電話が設けられている)。

そこに電話をしてオペレーターさんに聞いてみると「それならPublic Healthの歯科でそのサービスが受けられるので予約してください」と電話番号をくれました(この時点でなんか嫌な予感…)。

早速、Public Healthに電話をして予約しました。トロント市にはいくつかPublic Health(保健局)のやっている歯科があるのですが、平日の午前8時から午後4時までなので、学校や仕事を休んで行くことになります。結構予約がうまっているらしく、予約が取れたのは2週間後くらいでした。

そして学校を休んで実際に行ってみると…

ここは歯科ではないので」と言われ、目視のチェックとクリーニングをしてくれたのみ

そんでもって「ここに虫歯がありますねー。ここでは治療はしないので、普通の歯医者に行ってください」と言われてしまいました。

 

嫌な予感は的中しました。

「はいー?!虫歯があるのはわかっていて、来ているのですが!電話してここでやってくれるって言うから来たんですけどー!」と心の中で叫びましたよ。

「でましたー!カナダお得意の(?)たらい回し!!というより、担当者以外誰も分かってないので、適当なところに回すというアレ!オペレーターさん、やっぱりわかってないじゃん。」

 

そうです。こちらって担当者以外、正確な情報を分かる人がおらず、いろんな人がいろんな適当なことを言うのです(全員がそういうわけではないでしょうけど)。なので適切な担当者につながり、正確な情報を聞き出すことが成功への鍵になります。

ということで、そこからまたHSOを使える歯医者さん探しに逆戻り。ネットで検索をしまくりますが、ほとんどヒットしません。そんなことわざわざ自分のウェブサイトに書いてないのです。

他の自治体はこの制度を使える歯医者のリストを公開したりしているのに、トロント市はその点で不親切です。

インターネットで奥深くまで掘っていき、なんとか探した歯医者さんに電話して、 HSOが使えることがわかり、無事予約、そして治療となりました。

と書きたいところですが、なんと最初の検査でレントゲンを撮ったところ、下の子はその歯医者さんでもできない治療があるらしく(全身麻酔をした上で、切開して炎症を取り除く必要があるとか?!)、そこから更に専門医に紹介状を書いてもらうことになりました。

その専門医にはこれから行くのですが、自分で電話をして予約をとらなければなりませんでした。

そこでもHSOが使えることがわかりホッとしたのもつかの間、初回のコンサルテーションはHSOの適用外らしく自費で116ドルかかると言われてしまいました…。さらに治療の際にもHSOでカバーされるものとされないものがあるとか、ないとか。これから新たなところを探すのも大変なので、そこに行って聞いてくる予定です。

後日談:紹介された歯科に行ってきました。先生はちょっと見ただけですが、なんとそこではできないもの(やらない種類のもの)なので、また別の歯医者を紹介されました!(コンサルテーション代は請求されませんでした)

その直後に、ちょうど日本に一時帰国する時期だったので、日本でもセカンドオピニオンとして歯医者さんに行ってきたのですが、そこでは「経過観察」という診断になりました。うーん、時間の無駄。ちなみにカナダと日本と歯科の診断が違うこと、よく聞きます。カナダはちっちゃい虫歯でも積極的に直す?と聞いたことがあります。

ちなみに今回、レントゲン撮影代で1人100ドルほど。姉の方は小さい虫歯治療でプラス200ドルくらいかかりましたが、これらはHSOでカバーされました。でもレントゲンや同じ歯への治療は1年に1回までしかこの制度は使えないそうです。

旅行保険や留学保険でも歯科治療はあまりカバーされないので、カナダやアメリカにくる予定のある方は、歯科治療を済ませてきてくださいね。

(日本で公的保険に入っている人は、こちらでかかった医療費を後から還付してもらえる制度もあります)

カナダの歯科治療の良い点は、日本より技術が進んでいることだそうです。例えば詰め物に銀歯は使わないようです。日本で治療した歯を見るとカナダの歯科医師は「これどこでしたの?!(こんなに古いの!という意味)」と驚くとか。また、カナダではまとめて治療をするので1回の治療時間はかなり長いのですが治療が1、2回で終わることが多く、親としては何度も連れてこなくて良いので楽な面もあります。

なおカナダでは水道水にフッ素が入っているせいなのか、日本よりも虫歯の人の数が少ない気がしますが、実際にはその因果関係はよくわかりません。

ちなみに「とある家族」と書きましたが、これはもちろん我が家の経験談。このように、制度の申請から数ヶ月たった今も弟は治療ができていません。歯医者だけでもこんなに面倒なら、カナダでいろいろな制度を活用するのって、大変…と思った出来事でした。

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