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福祉の知識がゼロでもソーシャルワークの大学院に行ける?!

ソーシャルワーク・タイムズ vol53 子連れソーシャルワーク留学 in カナダ vol.1より転載

· 大学院の授業,カナダ生活

はじめまして。二木泉(にきいずみ)と申します。

私は現在、ソーシャルワークを勉強するため、子ども2人(10才・8才)と共に
カナダのトロント大学院に母子で留学しています。

今後、カナダでのソーシャルワーク教育や実習、子どもたちとの生活を通して見る児童福祉や政策、カナダのソーシャルワーカーの仕事の様子などをお伝えできればと思っています。

さて、私が通っているのは「University of Toronto, Factor-Inwentash Faculty of Social Work」。

直訳すると「トロント大学 ファクター・インウェンタッシュ社会福祉学部」。

今年で設立100周年を迎えた、カナダで最も古いソーシャルワークの学校です。
昨年10月には100周年記念式典がロイヤルオンタリオ博物館で行われ、恐竜の骨格標本やミイラの隣でパーティーが行われたのに驚きました。

でもこの「ファクター・インウェンタッシュ」ってなんでしょう??
これは学部に多大な寄付をしたご夫婦の名前なんです。
25年以上ソーシャルワーカーとして活躍中の妻と、トロント大学出身の夫が日本円で約1,500万円の寄付をされて、2007年に名前がつけられました。
さすが北米の寄付の文化。でも学部の名前まで変えてしまうとは、すごいです。

このようなカナダの寄付の文化は、道行く人がホームレスの人にお金を渡したり差し入れをしたり、フードバンクや歳末助け合い運動などが盛んなことからも垣間見る事ができます。
(その様子については、今後お伝えできればと思います。)

さてこの「社会福祉学部」、学部と言っても、実際にあるのは「大学院」だけなんです!
なのでトロント大学に学部生として留学しても、ソーシャルワークは学ぶことはできませんのでご注意を。

私のいるプログラム、Master of Social Work(以下、MSW)は修士課程の2年間のプログラムで、学部で「ソーシャルワーク以外」を勉強した人向けの大学院です。
かく言う私も、大学と大学院では社会学を専攻したので、福祉やソーシャルワークを専門的に勉強したことはありませんでした。

大学院を卒業すると、その名もMSW(Master of Social Work / 社会福祉学修士)という学位が授与され、「資格」と同じように使うことができます(国家試験などはありません)。

日本でMSWと言えば医療ソーシャルワーカー(Medical Social Worker)の略ですが、
英語では「修士号を持っているソーシャルワーカー」の意味になりますのでご注意ください。

ちなみに、今カナダではソーシャルワークは非常に人気があるらしく、倍率が10倍を超える大学院もあるとか…。

一般的に大学院は、研究系と専門職の養成系に分かれるのですが、MSWはまさに専門職養成系大学院。
同級生は100人くらいで(と、研究系の人に言うとすごくビックリされます!研究系は数名から多くても数十名ですね)
ほとんどの人が1年〜十数年の社会人経験があります。
カナダの大学院の受験はペーパーテストはなく、論文に加えて、これまでの経歴や大学の成績、
推薦状の内容などが重視されることもあり、有償無償を問わず、皆さん様々な経験をされてきています。

同級生の9割は女性。カナダではソーシャルワーカーは女性の仕事と思われているんだとか。
そして、半分くらいの人が学部で心理学を専攻していたそうです。

実はトロントのあるオンタリオ州では、ソーシャルワーカーがカウンセリングをしたり、
個人でカウンセリングオフィスを開業することができます。
そのため心理学を学んだ人が「カウンセラーになりたい!」と多く進学してくるようです。
他は社会学、女性学、政策、人類学、文学、理系の方など多岐に渡ります。
大学とは違う専攻が大学院から学べることは魅力的だと感じました。

この大学院には私が所属する2年でMSWを取れるプログラムの他、
学部でソーシャルワークを勉強した人向けに1年でMSWが取れるプログラムや、
既にMSWを持っている人向けに、より高度な知識が学べるディプロマコースもあります。

キャリアチェンジのためだけでなく、実際に働きながらステップアップを目的に通っている人もいます。
では、福祉の知識ゼロの人でもOKのこの大学院では、2年間でどんなことを勉強するのでしょう?
それはまた次回…。

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