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ベーシックインカム試験導入&最低賃金15ドルが決定!

子連れソーシャルワーク留学 in カナダ vol.102 ソーシャルワーク・タイムズ vol.171

· 社会福祉制度,貧困

(文章の最後に2018年10月の段階での追記があります)

2017年春、カナダのオンタリオ州で「ベーシックインカム」を試験導入することになったことが伝えられました。

オンタリオ州の3か所の地域で、低所得の人に年間17,000ドル(日本円で約150万円)が支給されるというのです。同居人数や子どもの有無、所得、障害の有無などに応じて支給額は変動します。

日本人としてはびっくりするような政策ですが(?)ベーシックインカムを支給することで、社会保障費全体を削減し、さらに働く意欲につなげるという意味合いがあるそうです。

例えば生活保護の代わりにベーシックインカムを支給することで、生活保護を受給している人に対する強い監視や偏見を解くことにつながり、また申し込みや維持にかかる事務手続きを簡素化することができます。

なお現在、生活保護の支給金額は単身で約710ドル。障害者向けの生活保護は約850ドルから最高でも1,130ドル。もちろん貯金や財産の制限や、収入による減額があります。この金額では家賃を払うと、ほとんど手元に残らないので、生活保護を受給していても働く人が多いのはもちろん、食費の切り詰めるためにフードバンクを利用したり、シェルターなどに滞在しているホームレス状態の方もいます。

さらに今週、オンタリオ州首相のキャサリン・ウィン氏から最低賃金を15ドル(日本円では1,350円くらい)とする計画が発表されました。

現在の最低賃金は11.40ドル。それを2018年1月に14ドルに、2019年に15ドルにするというのです。

同時にパートタイム、フルタイムを問わず同一労働同一賃金とすること、勤続5年以上の者には最低3週間の有給休暇(現在は2週間)を与えることなども発表されました。

インフレによりトロントの物価はどんどん高くなっていて、家賃などもここ数年で急激に上がっています。平均的な家賃はワンルームで800ドルから1,000ドルくらいで、ここ数年で15〜20%ほども上がっているそうです。一方で非正規の仕事などが増えており、オンタリオ州にいる6.6百万人労働者の1/3は不安定な立場にいるといわれています。

最低賃金アップの方針は概ね歓迎されていますが、この方針のために、さらに企業の人員削減が進んだり、より物価が上がるのではないかとも心配されています。また一部では、この政策が選挙対策ではないか、という声も出ています。

しかしながら、インフレが続き物の値段や家賃が上がり続けている現状に対しては、相応の賃金のアップや、ベーシックインカムも含めて所得の底上げが求められているのは確かなようです。

Ontario Basic Income Pilot https://www.ontario.ca/page/ontario-basic-income-pilot

2018年10月追記

2018年6月に保守党のダグ・フォード氏が州長となり、残念ながらベーシックインカムのテストは2019年3月をもって廃止されることになりました。そして時給15ドルとなる計画も、現在14ドルまで上がっていますが、現状をもって凍結するということが発表されました。

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