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オンタリオ州の保育事情

ソーシャルワーク・タイムズ vol72 子連れソーシャルワーク留学 in カナダ vol.18 より転載

· 児童福祉,移民政策

ここ数日、爽やかな日が続いているトロントです。さて、仕事をしながら子育てをする上で欠かせないのが「保育」です。今日はトロントの保育事情をお伝えします。

実はアメリカを含めて北米は公費での保育の制度が整っていない地域が多いのです。

日本の認可保育園の場合は、自治体に申し込みをして必要性が高い人から入れるという、いわゆる「措置」制度ですが、カナダでは親が保育園に直接申し込む「契約」制度となっており、保育園は自分で探さなければなりません。

保育園は非営利団体や教会がやっているもの、学校や職場に付属しているものなどがあります。トロント大学の中にも、チャイルドケアセンターという保育を提供している施設があります。

カナダでは、特に乳児を保育してくれる施設を探すのは至難の技。保育園の空きが数年待ちということも良くあるそうで、妊娠中からいくつもの施設を予約をしたりするそうです。また保育料は施設毎に決められているのですが、これがとても高いのです。

例えば、私が1年目に実習した先の非営利団体にも保育園があるのですが、そこは月曜〜金曜までの8時から5時半までで、30ヶ月未満の乳幼児は一日74ドル(約7000円)。に20日通うとすると約14万円です。

トロント市では収入に応じた補助制度があり、適応される場合には費用の7〜8割がカバーされるようですが(年収や条件によって異なる)、これも申し込みから数ヶ月から数年待たされたり、年間予算の関係上全ての人がもらえるとか限らないなどの問題点があることが指摘されています。

(なお、保育制度は州によって異なります。お隣のケベック州では、誰でも利用しやすい値段の保育サービスの制度が導入されています。収入に応じて1日の利用料は7ドル〜20ドルとのこと。ケベックシステムなどと呼ばれています。)

トロントで、日本では認可保育園という制度があるのだと話すと「いいね〜!ユニーバーサルチャイルドケア(誰でも利用しやすい保育制度)だね。素晴らしい制度だね!羨ましい!」という反応がほとんどです(もちろん日本でも待機児童の問題は大きく、認証保育園や認可外保育園は高いという問題がありますが…)。

カナダでは、4歳になる年(年中さん)になると小学校の幼稚部(キンダーガーテン)に入るので保育園に行くのは年少さんまで。その年になると(オンタリオ州では)、朝9時ごろから夕方3時ごろまで毎日、学校に行きます。その後のお預かりが必要な場合には、アフタースクールのお預かりプログラム(もちろん各家庭が探して申し込んで)に行くことになります。

カナダでは、保育施設の少なさや値段の高さなどもあり、フィリピンなどから来た外国人労働者にベビーシッター(ナニー)をお願いすることがよくあります。昼間の公園に子ども連れで集まっている方々を見ると、ベビーカーを押している大人はアジア人、乗っているのは白人の子ども、というパターンがよくあります。これは保育園に子どもを預けるのと比べて、特に2人以上であればシッターさんの方が安上がりだったり、時間の融通がきく、他の家事も頼めて助かる、などという事情があるのです。

カナダでは保育や高齢者ケアを家庭内で行う「ケアギバー」(ナニー)がたくさんおり、In home caregiver専用のビザも発給されています(2014年にcaregiverは住み込みでなくても良くなりましたが、それまでは住み込みのlive-in-caregiverと呼ばれていました)。カナダ全体では、ここ10年ほどを見ると、2008,09,10年がピークで各年3万人ほど、2011から13年は各年2万人から1.5万人を、この枠で受け入れています。全体の85%がフィリピンの方だそうです。

日本でも受け入れが議論されている外国人の家事労働者の受け入れですが(注:2016年から経済特区で家事労働者の受け入れが決定しました)、外国人家事労働者の97%は女性。本国に家族や子どもを置いてきていたり…、住み込みで外から見えにくいためのトラブルがあったり…カナダを含めて世界中でいろいろな問題が起こっているようです。

次回はこの外国人家事労働者の受け入れについて、身近に見聞きしたことを交えて考えてみたいと思います。(続く)

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