2017年の仕事始めは元日に

 

子連れソーシャルワーク留学 in カナダ vol. 89 ソーシャルワーク・タイムズ .153

· 高齢者

明けましておめでとうございます。2017年はSCAのメールマガジンに寄稿させていただくようになってから3年目となります。本年も福祉に限らず、カナダ社会に関わるいろいろな話題をお伝えできればと思います。

皆さん、今年はどんなお正月を迎えられましたか?

私は元日から4連勤でした。今、トロントの老人ホームの日系人・日本人フロアにほぼ唯一の日本人スタッフとして勤務しています。そのため元日はお雑煮(餅なし)作りや、日本食レストランで作ってもらった御節の配膳などをしていました。

外国で日本風のレクをするのは、思った以上に大変です。まずレクで使う道具や食材など、日本で身近に手に入るものがありません。例えば今回のお雑煮作りでは、小松菜、ゆず、三つ葉などを探すのが大変でした。ゆずは1個6ドル以上もして、三つ葉は結局手に入らず(泣)。

また、例えば門松やしめ飾りなどのお正月飾りも簡単には手に入りません。絵で書いてみたり、イラストをプリントアウトしたり自分で作ってみたり、つたない方法ですが、少しでもお正月気分が出るように工夫しています。

お正月のすごろくや、福笑いなどの遊びも、自分の手作りです。

このような手探りの状況は大変ですが、クライアントと「何もないところから作っていく」という状態は、多分、福祉の仕事全般に共通していて、忘れてはいけない基本の部分なのだろうと改めて感じています。(でも日本の100均がほしいです!!)

このような外国での日本式レクの苦労話も、今後、お届けできればと思います。

さて、お隣のアメリカでもうすぐトランプ大統領が就任します。アメリカの大統領が決まった際には、カナダ移民省のウェブサイトがパンクしたとか、カナダの大学へのアメリカからの入学希望が増加しているとか、そんな噂が絶えません。(ウェブサイトがダウンしたのはただのシステム障害では…?と思っている私ですが。)(後日追記:トランプ氏が大統領になることが決まってからは、はやりカナダの大学や大学院に留学を希望する人がたくさんきていて、留学生枠の競争率が上がっているということです!)

カナダはアメリカに接していて、経済的にもとても依存しています。カナダにはアメリカの会社の支社があり、アメリカ資本企業のサービスや製品が溢れていますし、カナダ企業の市場はアメリカでもあります。そのため、カナダはトランプ氏の動向を非常に注視しています。

またトランプ氏の移民を排斥し、女性を蔑視するような発言は、トルドー首相のそれとは真逆とも言えるもので、二人の関係性に注目が集まっています。オバマ前大統領とトルドー首相は非常に友好的で理解しあっていたようですが、今度はそのようにはならないと予想されています。

今年はカナダだけでなく、アメリカなど他国との関係についても、福祉とあわせて考えていきたいと思います。本年もどうぞよろしくお願いいたします。