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ソーシャルワークとカウンセリング(2)

ソーシャルワーク・タイムズ vol77 子連れソーシャルワーク留学 in カナダ vol.23より転載

· 大学院の授業,カウンセリング

先週は、カナダのソーシャルワーカーがカウンセリングを行うことができること、そのため大学院では、色々な理論や方法論について学ぶことをお伝えしました。カナダのソーシャルワーカーは、病院やクリニックに勤務してカウンセリングを行うこともあります。日本ではカウンセリングは臨床心理士や産業カウンセラーが行うというイメージがあります。カナダでも心理学や教育学に「カウンセリング」のコースがありますが、これらとソーシャルワーカーの行うカウンセリングとどう違うのでしょうか。

ソーシャルワーカーの仕事とは、クライアントの生きる世界を理解(しようと)し、その人が抱える生き辛さを(少しでも)減らし、生きやすくなるようなお手伝いをすることではないでしょうか。クライアントの生き辛さを減らす方法には、1.社会的側面からのアプローチ、2.心理的側面からのアプローチ、などがあります(その他にも間接的ソーシャルワークとして、社会や制度を変えるという方法もありますね)。

例えば、1. 社会的側面からのアプローチには、衣食職住の充足や行政の手続きのサポート、他機関や他のリソースにつないだり、当事者グループなどを含むコミュニティや地域でのサポートなどなど、挙げればきりがありません。一方、2.心理的側面からのアプローチとしては、面談やカウンセリングを通して、自分一人ではなかなか分かりづらい考え方やコミュニケーションの癖、極端な思考などに気付いたり、セッションの中でコミュニケーションや人間関係の練習したり、これまでの経験から自分の置かれている環境について考えたり自分自身を捉え直したりしながら、社会生活がスムーズにできるよう支援します。人が生きる上で、心理的側面と社会的側面の両方からのサポートが欠かすことができません。

その心理的側面からのアプローチを中心に担うことができるのが、カナダのソーシャルワーカーの特徴です。

カナダのソーシャルワーカーの行うカウンセリングの目的は、病気の診断をすることでも、病気を直すことでも(症状を緩和するサポートはしますが)、生い立ちや過去を分析したり、性格を変えようとすることではありません。クライアントの話をよく聞いて状況を整理をし、言語化されることのなかった感情を一緒に見つけて、感情や行動に名前をつけたりします。また、クライアント自身が気付かない強みを見つけて支援することを通して、社会での生き辛さを軽減したり、生きやすくなるようにサポートします。

カウンセリングを行う前提として、次の3つの要素が重要になります。それらは、1. クライアントの問題の明確化を行う、2.カウンセリングを通しての目標設定を行う、3.カウンセリングの内容や手法について説明し同意を得る、です。この3つの要素は、日本のソーシャルワーカーの方が、クライアントさんと面談する際にも大切となる要素だけでなく、ソーシャルワーカーが、新人や後輩を育てるためのスーパービジョンや教育の中でも、大切な要素となるのではないかと考えています。

次回はこれら3つの要素、1. 問題の明確化、2.目標設定を行い、3.内容や手法の説明と同意を得る、の詳細となぜ重要なのかについて考えたいと思います。

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