留学したいと思ったら(前編)

ソーシャルワーク・タイムズ vol87 子連れソーシャルワーク留学 in カナダvol.33

· 大学院

9月8日から公立学校の新学期が始まりました。6月末から始まった夏休みも終わりです。子ども達は初めてのクラス分けにドキドキ、ワクワク。当日はなんと、クラスの発表の紙に子ども達の名前がなく「え?なんで?もしかして、毎年手続き必要だっけ?!教育委員会行ってないよ?!やばい!」と、かなり焦りましたが、事務室の最新版の名簿に名前がありました。最新版を張っておいてよ!とカナダクオリティ(?)の仕事っぷりにツッコミたくなりました。他にもたくさん同じような子どもがいたらしく、事務室前は人でごった返していました(笑)。

さて、先日、日本から大学生の方々が研修に来られていたので、機会をいただきトロントに住んでいる雑感や教育についてお話させていただきました(教育を専攻している学生さんでした)。さすが自費でトロントまで研修にいらっしゃるだけあって(?)、真面目で熱心な学生さんたちでした!

その後の懇親会で、複数の学生さんに「留学したい気持ちがあるのですが…」というご相談を受けました。休学しての学部留学や大学院留学など、まだ情報収集中で悩んでいるようでした。

海外留学について、私が最もお伝えしたいことは「したいのだったら、絶対に(いつか)した方がいいですよ!!」ということです。私も子どもを連れて(夫を日本に残し)留学した理由は「あぁ留学したかったな…。でも家族もいたし、子どももいたから…」と思いながら最期の時を迎えたくなかったからです(極端ですみません)。

今日は「留学したいかも…」と思っている方に、いまから始めるべきことを5つご紹介します。これは主に人文社会系の大学院留学を希望する方向けに書きましたが、語学留学、学部での留学でも、一部参考になるかもしれません。

ーーーーーー

留学したいと思ったらすぐ始めること 5

1. 英語の勉強を始める

2. どうして留学したいのかを徹底的に考えて言語化する

3. (現役の学生さんの場合) GPA(成績)を上げる(下げない)努力をする

4. 留学先の学校と出願条件を調べる

5. 奨学金を探す

ーーーーーー

【1. 英語の勉強をすぐに始める】

日本人が留学を考えた時に尻込みしてしまうのは、やはり語学力ではないでしょうか(私もそうでした)。留学したいと思ったら英語の勉強はなるべく早く始めてください(たとえ留学しなくても無駄にはなりませんし)。

でも留学に必要なのは英語のテスト(TOEFL, IELTSなど)の点数であって、ネイティブ並みに流暢に話せるようになることではありません。すなわちひたすらテスト対策をするに限ります(笑)。テストはコツもあるので、学生さんなど少し時間が取れる方であれば、1年くらいガッツリ勉強したらかなりの点が取れるようになると思います。

TOEFLもIELTSも受験の金額が高いので(1回2万円を超えます)いっぱい勉強してから…と思うかもしれませんが、「スコアがもう少し!」という方は、テスト内容や試験官との相性もあるので定期的に受けた方がいいと思います。ちなみに私は5回くらい受けました(笑)。

自分では続かない…という方は試験対策用の塾に行っても良いと思われますが、当然ながら費用は高いです。私はフィリピンの先生とのスカイプ英会話&IELTS対策を毎日20分、1年ほど続けました。

なお、英語が心配な方は、条件付き入学というのも認めている学校もありますが、カナダの大学院はほとんどないようです。一方でトロント大学やトロントのカレッジ(専門学校)は大学の英語のクラスに通い一定レベル以上の成績で修了できれば、出願できるという制度があります。これは国や学校によって違うようなので調べてみてください。

【2. なぜ留学したいのか、目的を徹底的に考えて言語化する】

留学先を決めるにあたり、その目的を徹底的に考える必要があります。動機をはっきりさせることは留学先を選ぶために必要です。大学院の入試の際に志望動機や研究内容を審査されるので、そこをはっきりさせる必要があるからです。また奨学金の応募の際にははっきりと留学の目的を説明しなければなりません。

そして目的の言語化のもう一つ大きな理由、それは自分の心身の健康のためです。大学でも、特に大学院では、留学後に大量の本を読む必要があったり、一人で部屋にこもりレポートを書いたり、授業のディスカッションではついていけなかったり…という状況になります。そして「なんでこんなところに来ちゃったんだろう…」と思う時が必ずあります(笑)。今までの自分がガラガラと崩れ、ウツっぽくなる人もいます(留学生には当然のことです。もちろん私もです)。

そんな時のために、自分がなんのために勉強しているかをしっかりと持っている必要があります。勉強の内容や、担当してもらう先生によっても研究内容は変わりますが、大きな目的を見失わず、それを言語化できる機会が、留学前、留学中を通じてあるとよいと思います。

【3. 現役の学生さんの場合、GPA(成績)を上げる努力をする】

GPAは大学院受験に重要な評価です。もし留学を希望される場合には、なるべくGPAを上げる(下げない)努力をしてください。学校によっては明確に出願条件に、GPA◯以上と記載されているところもあります。チェックしてみてください。実は私も「あの授業、卒業が決まってたからって落とさなければ良かったな~」というものがあります(先生ごめんなさい)。

次回は「留学したいと思ったら(後編)」をお伝えします。