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    いつか日本で活かすためにカナダで 社会福祉と非営利組織を学ぶ日々

    Bridging Research and Practice between Canada and Japan

  • カナダ・ソーシャルワーク大学院留学記

    トロントのソーシャルワーク大学院や社会福祉・非営利団体についてSocial Change Agencyのメールマガジンで週1回配信している記事を転載します(日付は元のメルマガ発行日です)。最新の記事を読みたい方は、Social Change Agencyのメルマガ登録をお願いします。(数字や法律は当時のものです)

  • カナダの社会福祉を理解するキーワード

    Diversity, Anti-oppressive practice, Intersectionality, and etc...

    Diversity 多様性

    カナダは人種、民族、宗教など多様な人々が混在する国です。カナダの憲法にも多様性が明記されています。特にトロントは人口の50%以上がカナダ以外の生まれです。カナダ全体で先住民は4%ほどと言われています。

    Intersectionality 抑圧の交差性・重層的抑圧

    多様な人種、民族、宗教の人々が混在するカナダ。目に見える差別だけでなく、既存の価値観をもとにした社会の中では様々な抑圧があるといわれています。intersectionalityという言葉は、様々に折り重なる抑圧を可視化する試みでもあります。

    Anti-oppressive practice(AOP) 反抑圧主義実践

    既存の社会の価値観や認識を疑い、目に見える、目に見えない抑圧に対抗していくソーシャルワーク実践です。当事者が力をつけ、当事者自身が連帯して自らの価値観や必要なものを主張していく、そんなソーシャルワークが求められています。

    カナダの高齢化率と出生率

    カナダの高齢化率は17%。高齢化が社会問題になるのはこれからです。逆に出生率は1.6くらい。人口は3,500万人ほど。労働力確保のために移民を受け入れています。

    医療

    カナダの医療は税金でまかなわれており基本は無料です(歯科、眼科、処方薬以外)。基本はファミリードクター(かかりつけ医)にかかります。医療費削減のためか出産は1泊、大きな病院は紹介状が必要で、検査や手術が待たされるなどの問題もあります。一方、近年、所得に応じて子どもの歯科や処方薬の無料制度が州全体で始まっています。

    教育制度

    学校は基本は公立が主流です。オンタリオ州では9割以上の子どもが「オルタナティブスクール」を含む公立学校に通っています。その他、私立学校やホームスクーリングも認められています。一部の専門コースを除いて公立の高校受験はありません。もちろん公立学校は高校まで無料です。

    オンタリオ州は4歳になる年の9月から小学校に付属している幼稚園(キンダーガーテン)にいきます。2015年頃から州内すべての幼稚園で週5日、フルデイ(9時から3時頃まで)になりました。オンタリオでは、所得が2016年に5万ドル以下の家庭では大学の学費が無料になる制度ができました。

    Master of Social Work (MSW) ソーシャルワーク修士

    オンタリオ州ではソーシャルワーカーは 、学士(BSW)や修士(MSW)が資格となります。なかでもMSWを持っていて協会に登録するとカウンセリングや心理療法を行ったり、独立することができるなど活動範囲が広がります。トロント大の大学院(2年プログラム)は、学部の分野を問わないで進学できますが、心理学を専攻した学生が半分くらいいます。学部でソーシャルワークを専攻した人は、通常1年ほどでMSWを取得できます。

  • 論文・文章

    これまでに書いた論文や文章の一部です。一部はリンクから本文を読むことができます。

    CAS に調査研究部門を設置する意義―トロントでのソーシャルワーク留学記から

    2017.10『 世界の児童と母性』 -(82), pp.62-66

    カナダ・トロントにある児童相談所の役割を持つCAS。その中に設置された調査研究部門の役割と意義について所長のインタビューと体験に基づき報告。本文はこちら(PDF)。

    ソーシャルワークにおける反抑圧主義(AOP)の一端 ―カナダ・オンタリオ州の福祉組織の求人内容と組織理念を手がかりとして―

    2017.3『社会福祉学』,Vol.58(1),pp.153-163.

    ソーシャルワークに重要な概念である反抑圧主義(AOP)とは何か。カナダでどのように受け入れられ、実践されているのか。CiNii蔵書検索はこちら

    カナダ・トロントで社会正義を考える

    2017 2,4,6,8,10月. DEAR 開発教育協会ニュース(No.180-No.185)

    開発教育協会の会員向けニュースレターに「海外から」のコーナーにトロントの福祉や多様性に関する記事を執筆しています。開発教育協会とニュースレターについてはこちら

    カナダの高齢者介護事情ートロント市の事例から(上・中・下)

    2016.4.5.6月号 ゆたかなくらし, No.405,406,407.

    4月号ではカナダの高齢者介護制度、5、6月号ではトロントで「移民」の「介護士」として働く日本人女性にインタビューをしています。トロントの介護士の大半は移民です。こちらから購入できます。

    分断される介護職の実態と連帯の可能性

    2010, 女性労働研究 (54), 106-113

    様々な人材と職種が入り乱れる介護の現場の実態を現場目線で書いている。CiNii蔵書検索はこちら

    認知症介護は困難か-介護職員の行う感情労働に焦点をあてて-

    2010, 社会科学ジャーナル (69), 89-118

    ネガティブな文脈で語られることの多い感情労働だが本当だろうか。認知症の介護の仕事で本当に大変なのは何か。介護職へのインタビュー調査をまとめたもの。本文はこちら

    「LGBTに関する職場環境アンケート 2014」における【差別的言動の事例】の内容分析

    2015. 『ジェンダー&セクシュアリティ』10, p.119-132

    虹色ダイバーシティと国際基督教大学が共同で行ったLGBTに関する職場環境アンケートの差別言動に関する自由記述欄の分析です。本文はこちら

    震災支援活動における女性支援者の抱える困難

    2012. 女性労働研究 -(56), 166-169

    仕事と家庭の両立で悩んできた女性は、震災支援活動やボランティアでも同じように悩まなければならないのだろうか。CiNii蔵書検索はこちら

  • プロフィール

    二木 泉・Izumi NIKI

    MSW、介護福祉士。二児の母。日本の社会福祉や介護の現場を良くしたいと、現在カナダのトロントで勉強&実践をしています。

     

    東京都生まれ、愛知県名古屋市育ち。国際基督教大学 (比較社会学)卒業後、民間企業を経て、大学院へ進学。国際基督教大学 大学院 博士前期課程修了(行政学修士)。その後、大学で研究助手を続けながら、自身の研究テーマであった高齢者介護の業界へ進み認知症専門デイサービス、訪問介護、専門学校講師、NPOスタッフなどを経験。お年寄りの持つ魅力と介護の面白さに目覚め介護福祉士を取得。

    同時にこの経験から日本の介護労働の環境改善の必要性を感じ、2014年8月より社会福祉組織の運営と人材育成などを学ぶために母子でカナダに留学(日本財団国際フェロー)。トロント大学大学院ソーシャルワークプログラム(Master of Social Work)にて、Social Service Administration(福祉組織の管理運営)を専攻。カウンセリング理論、プログラム評価等も学び、地域福祉や移民への支援を行う非営利団体やトロントの児童相談所のリサーチ&評価部門(Children's Aid Society Toronto内、Child Welfare Institute)にて実習。アジア太平洋研究プログラム(Collaborative Master's Program: Asia-Pacific Studies)を同時専攻し2016年11月修了。現在は、トロントにて高齢者の方々にレクリエーションを提供する仕事を行っています。

     

    日本とカナダを橋渡しする目的で、トロントでの経験や社会福祉・非営利団体についての執筆だけでなく、福祉組織・非営利団体の視察のコーディネートや通訳も行っています。

     

    趣味はドラマ鑑賞。ときどきヨガ、キャンプ、そしてビール。

  • お問い合わせ

    ご質問・お問い合わせはこちらから。

    カナダ・トロントの福祉・非営利団体のご説明、視察の通訳なども行っています。

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